正しい左翼と右翼の意味って何だろな

最近(というか割と前から?)、左翼と右翼という言葉が正しい意味で使われてない気がする。

一般的にはどういう意味で通っているのか気になったので、大辞林を引いてみた。

左翼:(フランス革命時、国民公会で急進派のジャコバン派が議長席から見て左側に座ったことから)急進的・革命的な政治勢力や人物。ことに、社会主義的または共産主義的傾向の人や団体。

右翼:(フランス革命における国民公会で議長席から見て右側に保守派のジロンド派が座ったことから)保守的・国粋主義的思想傾向。また、その立場に立つ人や団体。

この意味を見て感じたのは、フランス革命に関する解説がついていながら、「ことに」と付けて左翼=社会主義・共産主義に限定するかのような解説が続くことへの違和感だ。

 

大辞林の解説の通り、この言葉が生まれたのはフランス革命の時期だ。

フランス革命 - Wikipedia

フランス革命

 

王政を廃止すべきだと主張した人たちが、議長席から見て左側。

王政を続けていくべきだと主張した人たちが、議長席から見て右側。

 

これらの位置関係から、

自由や平等を重んじ、それらを邪魔する制度や慣習を廃しようとするのが左翼。

伝統や歴史を重んじ、そこから生まれた制度や慣習を尊重するのが右翼。

と呼ばれることになる。

 

これらの分け方は今日も変わらないと思っている。

つまり、あの有名なスローガン「自由・平等・友愛」の概念をことさら信仰し、改革を推し進めようとする勢力が左翼だ。

だから、自由主義だって左翼だし、自由大好きなアメリカだって左翼的だ。

しかし、日本だと社会主義を標榜する組織が猛威を奮ったこともあって、左翼=社会主義、共産主義と思っている人が多い気がする。

 

あとは保守=政権側だと思っている人もいる。

ソ連史を解説している本でも、ソ連が政権として確立してからは保守政権になって、それに反対する人たちは革新勢力とか、トンチンカンな解説をしてた覚えがある。

社会主義政権が対抗勢力を罵倒するときに、ことさら「反革命的」という言葉を使うことからも分かるが、左翼は政権をとっても左翼だ。

左翼は自分たちの思想のために伝統を無くしていこうとするのだから保守ではない。

 

最後に一つ。

これは私も歴史を勉強して驚いたことなのだが、左翼は右翼だけでなく、左翼とも対立する。

しかし考えてみれば、この事実はアメリカとソ連の対立に明らかだ。

そもそも自由と平等という概念は対立する。

個人の自由を尊重すれば、次第に平等は守られなくなる。

反対に平等を尊重すれば、個人の自由は圧迫される。

冷戦体制でアメリカの自由主義・資本主義とソ連の社会主義とに分裂して対立したのは当然のことなのだ。

ココらへんの左翼の思想対立については「サピエンス全史 下巻」p.32 ”人間の崇拝”がおすすめなので、皆読め!(迫真)

 

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

サピエンス全史(下)文明の構造と人類の幸福

 

 

なので、アメリカやソ連と対立したナチス・ドイツも左翼だったんじゃないか?と個人的に思っている。

これに関しては推測なので、ちゃんと調査する必要があるが、私にはナチス・ドイツが伝統を大事にしていたようには思えない。

ことさらアーリア人種が一番だと喧伝していたようだが、これは”友愛”思想のために利用していただけではないのか?

これについては、どうやら佐藤優氏も同じようなことを考えていたようだ。

 

eagleai.exblog.jp

 

正直、大東亜戦争直前の日本や今の日本にも同じような匂いを感じる。(厳密にはファシズム体制ではないのだが)

愛国を叫べば右翼・保守だという考えは正しくないのかもしれない。

歴史を学んできてそう感じたし、”真の保守”を自称する小林よしのり氏の漫画を読んでさらに思いを強くした。

 

世界史劇場 フランス革命の激流

世界史劇場 フランス革命の激流

 
ゴーマニズム宣言SPECIAL 民主主義という病い

ゴーマニズム宣言SPECIAL 民主主義という病い

 

 

そうなると本当の保守って何だ?という疑問が湧いてきた。

そこで、以下の3冊の本を購入した。

これから読むのが楽しみだ。

 

[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

[新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき

 
保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)

保守主義とは何か - 反フランス革命から現代日本まで (中公新書)

 
日本会議 戦前回帰への情念 (集英社新書)

日本会議 戦前回帰への情念 (集英社新書)